特集 第7回臨床眼科学會
普通講演
(37)化學療法の檢討
三井 幸彦
1
,
山下 喜一
1
,
花房 淳
1
1熊本大學眼科
pp.256-257
発行日 1954年2月15日
Published Date 1954/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201773
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本日は,最近私共の所で得られた化學療法に關する成果を綜合してお話しいたします。まず最初にColimycin(R)(Colistin-Lion)のHemophilus conjunctivae (K-och-Weeks)菌及び緑膿菌感染に對する應用價値に就てお話しいたします(山下喜一擔當)。
Hemophilus conj.菌による結膜炎には從來Strepto-mycinが良く効くことが知られていましたが(1,2),St-reptomycinには抵抗菌を生じ易い事やアレルギー反應をおこし易い缺點がありました。そこでこの代りにPoly-myxinが更に強力な抗生物質として登場したのでありますが(3,4),輸入品であるため入手が困難でありました。そこで國産の抗生物質ColimycinがPolymyxinと極めで類似している點に着目して實驗してみました。その結果は0.1%のColimycin軟膏を1日3回3日間用いると,本菌による結膜炎を根治させ得ることがわかり,その作用はPolymyxinと同樣bacteriostaticというよりbacteriocidalでさえありますので,本菌による結膜炎治療の第一選擇の抗生物質として採用しうると思います。この使用量で副作用はありません。次に緑膿菌感染に對するColimycinの作用に就て述べます。最近緑膿菌感染が増加して參りました。
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