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淋疾のペニシリン一發療法—第2報 油性プロカイン・ペニシリンGに依る治療成績
山本 欽三郎
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1東京鐵道病院皮膚泌尿器科
pp.392-397
発行日 1949年9月1日
Published Date 1949/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200244
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淋疾のペニシリン(以下ペと略記)療法に關して一發療法とでも云うか,single injectionという言葉が彼地の文献に散在する.之は誰しもが持つペ療法で惱まされている頻回注射の煩雜さから免れたい要望から出た言葉である.今日のペ療法の研究方向は,有効血中濃度の保持,延長を計る事に在る.ペの體液への移行,之は換言すればペの吸收を遲からしめんとする努力と腎臓からの排泄を遲からしめんとする,2つの苦心に大別する事が出來る,後者は安息香酸,安息香酸曹達7)Diotrast35)Paraaminohippuric acid6)とかCaronamide3)の併用によつて血中濃度を上昇且つ長時間維持せしめんとする方法である.Lichena.Dowavilleの如ぐ尿量の減少を目的とする製剤,例えば腦下垂體後葉ホルモンを同時に注射する事も,此裡に入れられよう.こゝ1,2年來彼地の文献を賑わしているCaronamideに就ては今日の所未だ我國に於ては試みる機會を得ない.然し前者の血中濃度が一時的にでも高くなる事を抑制し,而も有効濃度の持續時間を延長せんとする方法に就ては以下記載の如ぐ大別して3種の方法がある.
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