臨床實驗
實驗的肺炎双球菌性結膜炎の研究(第5報)—總括
村山 健一
1
1三重縣立大學醫學部眼科教室
pp.324-326
発行日 1953年7月15日
Published Date 1953/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201537
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私は本研究第1報より第4報に亙り,家兎眼結膜に對し,純培養による肺炎双球菌(以下肺双菌と略稱)を接種し,家兎眼に於ける實驗的結膜炎の發生機序につき種種實驗考察を試みて來た。其等を總括するに家兎眼に於ける肺双菌性結膜炎は本態的には人眼の慢性涙嚢炎に併發せる所謂"Lacrima le Conjunctivitis"と臨牀所見が酷似せる輕微な炎症像の如くである。
而して本菌による結膜炎の發生條件として第1には發生の主體條件を菌體側に置く場合で此の際肺双菌が結膜上皮層を通過して結膜繊維層内に親和性をもつて一定期間同組織内に鈎着せねばならぬという事であり,第2には發生の主體條件を生體側に置く場合で菌の結膜侵入に際して結膜が直ちに之の刺戟に對する敏感な生體反應を呈し得る状態にあらねばならぬという事である。
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