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止血劑に關する實驗的研究
神前 五郞
1
1大阪帝國大學醫學部岩永外科
pp.13-16
発行日 1947年8月20日
Published Date 1947/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200230
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現今臓器製劑が止血劑として廣く使用されて居る。而して臓器,組織の抽出液の血液凝固促進作用はWooldridge(1883)以來多くの人により研究されてゐるが,其の作用物質は或はトロンボキナーゼの如きものと云はれ或は又トロンビン樣物質と主張され,其の耐熱性も同樣一致した結論は出てゐない,其のトロンボキナーゼも類脂體であるとされて居たが,最近血友病の研究に關聯して一種の蛋白燐脂質複合體であらうとも云はれる樣になつた。とにかく血液凝固機序の詳しく解明されてない現在,止血劑に關しても幾多の疑問を殘してゐる。
著者は止血劑の研究に當り先づ舊來周知の過酸化水素氷の止血作用機序を知らうとして種々檢索せる結果,哺乳動物血液より過酸化水素處理法に依り有效な止血劑を得たので夫れに就き報告する。
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