Japanese
English
報告
心房粗動の實驗的研究
Experimental Studies on Auricular Flutter
木村 榮一
1
,
加藤 和三
1
,
村尾 覺
1
,
鰺坂 秀朗
1
,
小山 晋太郞
1
,
大宮 善吉
1
Eiichi KIMVRA
1
1東京大學醫學部美甘内科教室
1the Department Mikamo, s Internal Medicine, Tokyo University, School of Medicine
pp.233-234
発行日 1953年4月15日
Published Date 1953/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905711
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- Abstract 文献概要
心房粗動の發生機序については,周知の如く興奮旋回説と異所的刺戟生成説の二説があり,臨床上にも興味ある問題として,最近に於てもこの二つの説をめぐる論爭が絶えない。即ちScherfはアコニチン局所注射による實驗的"粗動"が注射局所の冷却によつて消失することから,Prinzmentalはアコニチン局所注射或は電氣的刺戟による實驗的粗動の高速度映畫及び心電圖所見より伺れもLewisの興奮旋回説を反駁し,異所的刺戟生成説を主張し,他方Rosenbluethは上下大静脈口の間に相當する部分を中心として心房の一部を傷害ブロツクすれば,電氣的刺戟により,容易に規則正しい粗動を發生せしめ得ること,傷害部の廣さを大ならしめるに從い,粗動波の頻度の減少することその他より,興奮旋回説を支持している。我々はScherfの方法及びRosenbluethの方法により生起せしめた實驗的心房粗動について精密なる心電圖時相分析を試み,殊にLewisの實驗の最大の弱點たる左心房各部からの誘導をも行つて,左右心房の全般に亙つて興奮傳導の様相を追究して些か知見を得た。
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