特別講演
眼底疾患の計測的診斷法
大橋 孝平
1
1慈大
pp.65-76
発行日 1951年2月15日
Published Date 1951/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200770
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I.眼底疾患計測的診斷法の意義
從來眼底疾患を檢眼鏡的に診斷するに際して乳頭の充血度(赤色調),網膜血管の蛇行度,擴張度,收縮度,血管の分岐する角度等を觀察することは可成り重要な事であるに拘らず,正確に之を記録する簡單な臨床的方法が困難のため計量し難く,多くは單に主觀的の形容で表現せられていた。もしもこれらを數値で又は程度差を數量的に表現することが出來れば,その診斷的價値が誠に有意義のものとなるであろうことは論を待たない。
私共の教室では主としてこの樣な眼底病に對して血管の太さ,分岐角,血壓,蛇行度等を計量的に觀察して,これらを指標として種々の負荷試驗を實施して網膜機能檢査法を研究續行して來ているので,未だ充分な方法は發見せられてはいないが,今日までの結果を總括的に述べて眼底疾患診斷上の御參考に供したいと思う。
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