--------------------
余の卵管通否診斷法
淸水 直太郞
1
1前橋醫學專門學校
pp.74-75
発行日 1948年4月1日
Published Date 1948/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200113
- 有料閲覧
- 文献概要
從來卵管の通否を診斷するには種々の方法があるが,その中子宮卵管造影法が最も確實で,卵管の通否のみならず閉鎖の左右別,部位等を「レントゲン」像により視診することが出來,今日の處,通氣法,通水法等の全く追從を許さない。從つて造影法が常に容易に行はれる状態にあり,且「レ」像が正當に判讀される場合には卵管通否の診断に關しては實地上最早論議する必要がない。然し造影法を實施するには特別な器具が必要であり,且それが時節柄高價で,しかも入手困難であり,更に修理も困難である外,施行に相當の技術を要する爲,直ちに誰もが安易に使用出來ない實用上の缺點がある。この點を解決せんとして,ネラトン氏「ゴム・カテーテル」を常用の注射器に,或は注入壓を測定する爲に多少硝子加工した常用の注射器に連絡して,又時には硬ゴム塊(齒科用)を加温して隨意の形,大とし,之にネラトン氏「カテーテル」を通じたものを注射器に連結して造影劑を注入する方法を「余等考案の簡易子宮卵管造影術」と題して既に發表した。(日本婦人科學會雜誌,第35卷,第11號參照)。之により常備の器具で大した熟練を要せず造影法が行はれる事になつたが,其後物資の缺乏が一層深刻となるにつれて「レ」撮影装置の機能保全維持,「レ」寫眞材料の補充が困難となり,隨時に造影法を施行することは殆んど不可能の状態に立ち至つた。
Copyright © 1948, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.