Ⅱ臨牀實驗
結核性涙骨カリエスの診斷と手術に就て
大橋 孝平
1
1慈大眼科
pp.24-26
発行日 1949年1月15日
Published Date 1949/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200306
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
涙嚢に原發する結核の報告は内外文献を見るに比較的少く,吾國では10數例の臨床報告を見るのみである。然し實際はそれ程稀な疾患と云ふわけではなくて上野頴一氏によると從來統計上慢性涙嚢炎の7.4%とせられ,Rollet及びBussy氏等の報告によると涙嚢炎100例中で結核菌を證明したものは3%にあり,且つ14%は混合傳染であつたと云はれる如くに,結核性涙嚢炎の初期では單に涙嚢摘出によつて完全に治癒する爲に,單なる慢性涙嚢炎として處理されてゐるものも相當あるのではないかと考へられる。然し從來の記載によると涙嚢摘出後に再發を見たものでは屡々結核菌を發見する事があるとされ,淸澤氏は摘出涙嚢を組織的に檢査した成績によると8%に結核が發見されたと云ひ,藤原氏も72例中に2例を見たと云ふ。
又結核性涙嚢炎の診斷は時には稍々困難であつて,Rollet氏(1911年)は第1型:非壓縮性實質腫脹を特徴として,パスタ樣腫脹があり,排膿がないもの
Copyright © 1949, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.