発行日 1947年7月15日
Published Date 1947/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906213
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妊娠して居るか居らないか診斷することは,簡單な場合は素人でも判りますが,難しい場合には經驗のある産科醫でも難しい。勿論妊娠5ヶ月以上になれば,胎兒も觸れたり,その心音が聽へたり,胎動を妊婦自身も感じたりして知れますが,前半期の診斷殊に早期の診斷で妊娠の有無を確定するのが難しいのです。月經が閉止して,つわりがあつたり,乳首が黒ずんで來れば,妊娠ではないかと自分も他人も疑ふのです。然し非常に子供を欲しがつてる婦人や反對に非常に妊娠を恐れて居る婦人には想像妊娠と云つて,眞の妊娠でないのにこの樣な症状が起つて,後に驚いたり笑つたりする結果を生ずることもあります。然し他方には治療上,例へば,月經閉止が1,2ヶ月あつた後,急に出血があつたりして,その原因が月經異常なのか,或は流産による出血なのか,これを見分けることが治療上非常に必要な場合もあります。更に早く妊娠か妊娠でないかを知ることも妊婦も周圍の人々も深い關心を持つことであり醫者としても確實に診斷したいのです。それで妊娠を早期に診定する檢査法が學者によつて,いろいろ苦心研究され確實に簡單に診斷する方法が絶へず考へられ既に發見されてます。助産婦の方は勿論看護婦の方々も之を知つて居らるゝことは必要と思ひますので,最新のこの診斷檢査法を茲に御紹介しましよう。
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