Ⅱ臨牀實驗
余の簡明中心暗點計に就て(中心暗點テストカード)
松原 廣
1
1名古屋女子醫大眼科
pp.187-189
発行日 1949年5月15日
Published Date 1949/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200363
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まえがき
中心暗點の測定は,眼底疾患の鋭敏なる尺度とまで云われ,その診斷ばかりでなく經過及び豫後の判定上極めて樞要である事は言を俟たないが,一般に我國の臨床醫家の該檢査は,どちらかと云えば粗末になりがちである.この事はトラコーマの洗眼等に多くの時間と労力とを奪われている事にもよるであろうが,視野檢査が歐米諸國に於て可成りの時間と労力とを惜しみなく使われているのに我國に於てはなるべく簡便なるもので用をすまそうとする傾向がある.この簡單なそれは,疾患の良心的診斷と言う點からすると相當の非難を甘受しなければならないが,一方に於て比較的正確に且又速やかに暗點の性質を知らうと云う點からすると決して頭から排斥されるべきものではない.この意味で從來の簡單な一二の中心暗點計が,この方面に果した役割は大なるものがあつた.然し是等の持つ缺點は,既に先人によつて指摘せられているのであるが,簡便なるが故に改善されずに現今迄放置せられているのである.私はこの點に鑑み,その能くし得る範圍に於て新しい二三の改良を試み,臨床醫家に充分利用し得ると思う簡明中心暗點計を試作したので茲に報告する次第である.
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