扉
華と暗
神野 哲夫
1
1藤田学園保健衛生大学脳神経外科
pp.5
発行日 1986年1月10日
Published Date 1986/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436202125
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我々脳神経外科医の治療の究極の目的が,患者をしてreturn to useful social lifeたらしめることにあることは異論がなかろう。しかし,御存知の如く,これがなかなか難しい.
return to useful social life,あるいはactivity of daily life I (ADL1)とは,重篤な神経症状を残さず,患者はしっかりとした独歩で退院後,通院し,元の会社や職場に戻ったことが確認され,元通り仕事をしている等々を総合して判定されるものであろう.しかし,現実には,これらの判定が,あの短い外来診察の時間の中で行われており,学会発表の時などは,それらのカルテをひっくり返したり,アンケートの手紙を送ったりして,統計をとっている.少なくとも,私はお恥しいながらそのようにして調べてきた.
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