Ⅱ臨牀實驗
飛行機搭乘員の比較調節力及び比較輻輳力に關する研究
塙 博一
1
,
湯口 謹治
1
,
室野 金次郞
1
,
澁谷 利彦
1
1名古屋大學眼科
pp.190-193
発行日 1949年5月15日
Published Date 1949/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200364
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緒言
調節と輻輳とは平行的に増減すべきものなるが,兩者を分離せんとする試はPorterfield, J-ohamanes, Müller等により提唱され既にPlateau, Volkmann, Reute, Donders, Hering, K-oster, Roelofs, Fub, Hoffmann等の説明せる所なり.この事實は甚だ重要なる事にして若し一定の調節に對し定れる輻輳のみ可能なりとせば輕度の屈折異常者と雖も直に單一明視は不可能となるべき理にして全く不合理なり.Dondersは一定の輻輳状態の下にて輻輳を變動せしめす調節を或る程度變動せしめ得る範圍を其の角度に對する比較調節力と稱し逆に調節を一定せる場合,輻輳の變動し得る範圍を其の調節に對する比較輻輳力と命名せり.輻輳と調節との關係は相関的にして比較調節力の範圍は比較輻輳力のそれと全く一致せるものなるを以て煩瑣なる兩者の關係を簡明に記載し得るものなり.余等は初見式ハプロスコープを用い飛行機搭乘員の飛行前後,及び慢性航空神經症患者の輻輳調節曲線を描き些か新知見を得たり.
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