Ⅳ私の研究
中心暗點の研究(視力良好なる慢性軸性視神經炎の比較的中心暗點に關する實験)
吉村 善郎
1
1千葉醫科大學眼科學教室
pp.37-40
発行日 1949年1月15日
Published Date 1949/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200310
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從來伊東教授によつて着目せられて來た我國青少年の多數に存在する観力良好なる慢性軸性視神經炎(慢軸炎)は,眼底に乳樣反射等本症特有の變化を示し,黑板法によればラケツト型中心暗點を證明する他最近の教室の精査により,周邊視野,絶對視領,近點,調節時間,動観標視認力等にも機能障碍の在る事が確認せられた。本症の多數は正常視力を有するにも拘らす自覺的に霧視,差明,眼精疲勞,眼球壓迫感,異物感其他の自覺症状を有する。隨つて實生活に於て眼の「はたらき」といふ能率の觀點から閑却出來ないにも拘らす,本症は從來餘り着目されてゐない。教室に於ける本症の研究の一部として余は比較的中心暗點(比中暗)の性状を檢査し,且その除去法に就て實驗した。
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