臨牀實驗
回轉斜視の1例に就て
芥川 靖治
1
1慈惠醫大眼科
pp.101-104
発行日 1949年3月15日
Published Date 1949/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200332
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緒言
回轉斜位即ちCyclophoriaですら之を臨床上見出す機會は非常に少い。まして回轉斜視に至つては更に稀である。我が國の文献を見ても回轉斜視の報告は1938年に大橋教授が回轉斜視の1稀例として記載されたに止つてゐる。斯樣に少いものではあるが併し,本症は單に稀病としての價値ばかりでなく,本症に依つて現示されるところの所見は眼筋の機能生理乃至は機能病理を窺ひ知る上に興味ある價値を提供するものと考へる。それ故,私は最近遭遇した回轉斜視の1症例を報告して,其の文献追加と共に本症が示すところの諸現象に就て聊か鄙見を述べたいと思ふ。
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