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睾丸廻轉症に就て
清水 圭三
1
1名古屋帝國大學醫學部皮膚科泌尿器科學教室
pp.88-96
発行日 1947年4月1日
Published Date 1947/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200023
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緒論
睾丸廻轉症は比較的稀有な疾患で1840年Delasiauveのが精系捻轉症と名付けて報告したのが嚆矢で,その後Follin(1852),Scarenzio(1859),Langlet(1871),Chaweau(1875)等により相次で報告されてゐる,1885年にNicolandiがその發生機轉に就ての研究を發表してから症例も逐次その數を増し,Enderlen(1896)は12例を報告し,Dreibholz(1906)は73例を,Uffreduzi(1913)は80例を集め停留睾丸との關係に就き述べ擧睾筋がその發生原因に關係すると云ひ,O'Conor(1919)は124例を集め,Ormond(1927)は150例中69%は停留睾丸であつたと報じてゐる,Alipov(1929)は160例を蒐集し,Colby(1930),Johnson(1931)は豫防と早期療法に就て記載してゐる,Muschatet Carp(1931)は194例に就き詳細な報告を記述してゐる,Jaffe(1932)は212例を,Heller(1933)は300例の多くの症例を集め,Cornerはそれ程稀れな疾患ではないと云つてゐる,Braneo Siberis(1933)は5年間に1462例の睾丸炎中に本症の1例を見たと云ふ。
本邦では山村(1905)が生後3ケ月の乳兒の睾丸肉腫に合併した本症の1例を報告したのに始まる。
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