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鉛直斜視として現われる上下直筋,上下斜筋の異常運動に対する矯正手術は従来余り的確な研究業績がなかつたが,近来は漸次内外文献上にもこれに対する興味ある知見が記載せられるようになり,(Alvaro,Foster氏等)ことに近刊書の内でもBerens,Krimsky,Fink氏等の著書によれば詳細な記載が見られるようである。我国でも北海道の中川順一氏は斜筋の手術に就ての症例を報告されている。然しこれらの斜筋手術と色々の水平筋手術との聯合に関する手術の詳細な報告は,余り見当らないようである。
然して日常に相遇する内外斜視(水平斜視)では多少共これに鉛直斜視を合併している場合が決して少くないのであつて,斜視が恐らくいずれかの外眼筋の機能異常で生じた場合には,必ず他の外眼筋にも二次的に色々の代償的過動又は動作不足を生じ易いのであり,水平斜視であつても,その鉛直運動の不均衡があれば,之に鉛直斜視を合併する如く,上転する上直筋が異常であれば之を補う下斜筋に過動を生じ,又は反対に動作不足を生ずる如くであつて,水平方向と鉛直方向の斜視が混在する時は,軽い場合は,そのいずれが原発てあるかの判定は非常に困難な場合が多い。White-Brown氏等(1939)は鉛直斜視は眼筋異常の36.6%にあるとしたほどであり,これらの斜視手術に於て水平筋と鉛直運動筋を如何様な程度に手術矯正すべきかの明解な方針は未だ決して充分ではない。
Operative results of 15 cases of strabismus who were operated upon by a method devised by the anthor is reported. The range of pupillary movements in strabismus could be obtained on the operating table by determining the disproportion that exist between the fixation area and the oblique muscle action which is called the unbalance test. By application of this test any over-or under-actions of ocular muscles, superior or inferior rectus, or, superior or inferior oblique, could be determined.
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