Ⅰ綜説
眼結核の組織像と其の多樣性
生井 浩
1
1九州大學眼科
pp.45-48
発行日 1949年2月15日
Published Date 1949/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200314
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一般に結核の病變は罹患個體の體質及び免疫乃至アレルギー,一方に於ては結核菌の毒力,菌量其他によつて左右される外,罹患臟器或は組織の解剖學的性質に從つて特性を呈示する。
眼結核は全身結核の一分症として,結核菌の血行内撤布によつて起るものであるが,其の病像は甚だ多彩であり,他器官には始ど其の比を見ない所である。性別によつて發病に特殊の傾向があるのは結核性網膜靜脈周圍炎が若年の男子に多く,又漿液性中心性網膜脈絡膜炎が壯年の男子に多いに反し,結核性鞏角膜炎は好んで女を侵すことからも知られる所であり,年齢の如何によつて發病の頻度に著しい差があるのは,フリクテン性疾患のそれに於て見られる所である。
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