増刊号 ターゲット別! 画像診断お助けガイド—基本画像から最新モダリティまで
Ⅱ タイミング別
外傷時
眼窩内異物
笠井 健一郎
1
,
嘉鳥 信忠
1
1聖隷浜松病院眼形成眼窩外科
pp.235-241
発行日 2014年10月30日
Published Date 2014/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200057
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◎外傷症例では異物の可能性を常に念頭に置いて対応しなければならない。患者本人に限らず目撃者へも問診し,受傷時の詳細な状況証拠や物的証拠を十分把握する必要がある。そして,必ず画像検査をオーダーしなければならない。
◎外傷性眼窩内鉄片異物は,感染症はまれであり,無症状の期間が長いことがある。CTでは,鉄片はmetal densityに描出され,アーチファクトが生じる。MRIは禁忌である。
◎外傷性眼窩内異物のうち植物性物質は感染の危険性が高く,創が化膿したり,肉芽反応を起こし,慢性炎症性肉芽腫を形成しやすい。CTでは,時期によっては異物のCT値が周囲肉芽組織などと等吸収域となる時期があると推測され,また異物の種類によっては描出されないものもあるので注意を要する。MRIでは,T1強調画像で木片は脂肪より低信号に描出される。T1強調画像は水分の影響が少ないのでCTのようなdensityの経時的変化もなく,受傷早期より木片そのものが描出されるため局在診断上非常に有用である。
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