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あとがき
坂本 泰二
pp.246
発行日 2014年2月15日
Published Date 2014/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410105131
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最近,眼科においてロービジョンケアが注目されています。その理由の一つとして,ロービジョン検査判断料が保険収載されたことはあるでしょうが,眼科医にその必要性が強く認識されてきたことが大きいと思われます。治療技術が大幅に進歩して,以前なら失明した患者さんの多くが失明を免れるようになってきました。しかし,それでも視力を失う方は少なくないですし,超高齢化社会においては,その絶対数は増加しているようです。再生医療などは,今後の失明者数を減少させるために大きな役割を果たすでしょうが,現時点で失明されている方の日常生活を改善させるには,まだ遠いと言えます。ロービジョンケアというのは,今までは決して派手な領域ではありませんでした。しかし,眼前の苦しみを取り除くという医療の本質から言えば,まさに求められている医療であり,今後は大変重要な領域になると考えられます。今回の特集では,ロービジョンケアの背景,問題点,具体的方法がわかりやすく解説されています。この領域に長年関わってこられた先生方に深く敬意を表すとともに,本特集を読んで,これからこの領域に積極的に関わろうという方が増えることを切に願います。
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