今月の表紙
裂孔原性網膜剝離
遠藤 弘毅
1
,
横井 匡彦
1
,
鈴木 康之
2
1手稲渓仁会病院
2東海大学八王子病院
pp.147
発行日 2012年2月15日
Published Date 2012/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104083
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症例は66歳,女性。3日前からの右視力低下で近医を受診し,網膜剝離の診断を受け当科を紹介された。すでに3週間前から右眼の耳側視野が見づらかったということであった。視力は右(0.01),左(1.2)で,右眼底に下鼻側を除いて広範な胞状網膜剝離があり,上鼻側に原因裂孔があった。翌日に硝子体手術と水晶体再建術を行い,ガスで復位した。3週間後に視力は(0.3)となった。
撮影はトプコン社製眼底カメラTRC-50LXを使用した。平行移動法により後極部から周辺部にかけてそれぞれの画像がパノラマとなり,かつ立体感が損なわれないよう,移動距離をもたせて撮影した。剝離の境界部においては眼底の凹凸が顕著であるため,剝離面と非剝離面での2ペアを撮影しパノラマ合成を行った。周辺部の立体撮影は眼底像が非常に暗くなってしまうので撮影に苦慮した。また,胞状網膜剝離という動的な病変をステレオ(立体写真)に収めるため迅速な撮影をするよう心掛けた。パノラマ作成時には,まず単体ステレオがペアごとに立体となっているかを確認した。次に2つのパノラマ写真をバランスを取りながらそれぞれ組み立て,最後にそれらがパノラマ立体の全体像となるよう工夫した。
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