Japanese
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特集 疾患メカニズムの新しい理解と治療の展開
マイボーム腺機能不全
Current concepts and topics in meibomian gland dysfunction
有田 玲子
1
Reiko Arita
1
1伊藤医院
pp.138-145
発行日 2012年2月15日
Published Date 2012/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104082
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はじめに―いま注目されるマイボーム腺機能不全
ドイツ人内科医師であるHeinrich Meibom(1638-1700)が発見したマイボーム腺は,その重要性を認識されながら,なかなかスポットライトのあたらない眼付属器だった。しかし近年,一般外来を訪れて不定愁訴を訴える高齢患者はかなりの割合でマイボーム腺機能不全(meibomian gland dysfunction:以下,MGD)が原因であると考えられており,著しくquality of lifeを低下させる要因となっている。矯正視力が(1.0)以上あっても,毎週外来を訪れて眼のつらさ,生活のつらさを訴える患者も少なくないが,現段階で特効薬といえる治療法はない。まさに患者泣かせ,眼科医泣かせの疾患といえる。
このような状況のなかで,わが国だけでなく国際的にも定義,診断基準,分類,治療指針などについてのワーキンググループが発足し,現在最も注目される疾患の1つとなった1,2)。今回,筆者らが開発した非侵襲的マイボグラフィーによるMGD診断の有用性,MGDの疾患メカニズム,従来の治療法,今後期待される新しい治療法について解説する。
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