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連載 つけよう! 神経眼科力・12
診察室で診断できる異常眼球運動
Diagnosis of abnormal eye movements in office practice
三村 治
1
Osamu Mimura
1
1兵庫医科大学眼科学教室
pp.280-284
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103566
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異常眼球運動の診断は問診から!
ひとくちに自発性異常眼球運動といっても,先天眼振のように進行がなく放置しても差し支えないものから,松果体腫瘍に伴う輻湊眼振のように緊急に治療を要するものまでさまざまである。それらの診察に際してまず行うべきものはやはり問診である。主要な問診事項とその際に疑うべき疾患を表1に示した。先天性と後天性の鑑別で問診上これまで最も重視されてきたのは動揺視(oscillopsia)の有無で,先天性では動揺視を自覚せず,後天性では動揺視を自覚するというものであるが1),筆者の経験では,周期性交代性眼振(periodic alternating nystagmus:PAN)においては,先天性であってもその多くが間欠性の動揺視を自覚している。しかし,周期性交代性眼振以外の眼振では今なおこの有無は重要な診断根拠となるので必ず尋ねるべき事項である。
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