Japanese
English
連載 眼科医にもわかる生理活性物質と眼疾患の基本・15
CNTF
Ciliary neurotrophic factor
竹内 侯雄
1
,
中澤 満
1
Kimio Takeuchi
1
,
Mitsuru Nakazawa
1
1弘前大学大学院医学研究科眼科学講座
pp.276-278
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103564
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毛様神経栄養因子(ciliary neurotrophic factor:CNTF)は最初にニワトリの毛様神経節細胞から分離された神経栄養因子1)であり,その後の研究でインターロイキン6(IL-6)ファミリーに属するサイトカインの1つであることが明らかにされた。分子量21kDaのタンパク質である。CNTFは全身の神経節細胞や中枢神経に分布しているが,眼では網膜とくにMüller細胞,アストログリア,マイクログリアなどのグリア細胞などで発現していることが知られている2)。
その作用は神経保護作用と神経再生作用であり,実際に前者の機能と関連する視細胞保護効果を利用して網膜色素変性の治療に応用する臨床研究がSievingら3)により米国にて施行されている。しかし,CNTFには視細胞保護作用がある一方で,杆体の根本的機能である光トランスダクションに対して抑制的に働き,網膜電図a波の振幅を低下させる働きがあり,視細胞保護に対しては二面性がある4)。
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