今月の表紙
低眼圧黄斑症
荒井 かおり
1
,
藤井 澄
1
,
寺崎 浩子
2
1二本松眼科病院
2名古屋大学
pp.629
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103165
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症例は36歳男性。バイクを運転中に転倒し,左眼を打撲した後から左視力低下を自覚した。近医を受診したが経過観察のみであったため,セカンドオピニオン目的で当院を受診した。初診時視力は右0.09(1.2×-1.75D),左0.1p(0.5×+3.00D),眼圧は右15mmHg,左5mmHgであった。右眼は前眼部,中間透光体,眼底とも正常であった。左瞳孔は中等度に散大していたが水晶体混濁はなかった。眼底は視神経乳頭境界不鮮明で発赤・腫脹し,網膜血管は拡張・蛇行していた。黄斑部を中心に放射状に網脈絡膜に皺襞形成が認められた。光干渉断層計(OCT)では網膜色素上皮を含んで網脈絡膜全層に凸凹不整が認められた。以上より低眼圧黄斑症と診断した。
撮影はコーワ社製の眼底カメラVX-10iを用いた。撮影画角は50°,露光は標準モードより1段階強くし,乳頭および網膜皺襞が鮮明に表現されるよう撮影した。
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