今月の表紙
低眼圧黄斑症
福井 勝彦
1
,
寺崎 浩子
2
1旭川医科大学眼科技術専門職員
2名古屋大学眼科学
pp.483
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101721
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33歳,男性。ルアーで右眼球を打撲し近医を受診した。受傷2か月後,視力の改善を得ないために当院を受診した。視力は右0.1(0.3×-2.50D),左1.5(n. c.),浅前房と角膜内皮面に色素細胞沈着がみられた。眼圧は右7mmHg,左14mmHgであった。右眼の視神経乳頭に軽度の発赤,中心窩周囲に放射状の皺襞形成と上下血管アーケード内に血管蛇行がみられた。眼底下方の鋸状縁には,前医におけるレーザー光凝固治療瘢痕が認められた。
フルオレセイン蛍光眼底造影にて,初期に視神経乳頭の周囲および上血管アーケード領域に不正形な脈絡膜充盈遅延を示唆する低蛍光斑と,後極部網膜に小葉サイズの過蛍光斑が認められた。視神経乳頭に軽度の過蛍光がみられるものの蛍光漏出はなかった。インドシアニングリーン蛍光眼底造影では,初期に視神経乳頭耳側の一部に充盈遅延,上血管アーケード内の脈絡膜静脈血管に境界不鮮明な拡張がみられた。撮影はコーワ社製PRO-Ⅲ眼底カメラを用いた。
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