特集 網膜硝子体診療update
Ⅱ.非観血的治療update
ステロイド剤の作用機序と適応
園田 祥三
1
,
坂本 泰二
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科感覚器病学視覚疾患学
pp.89-95
発行日 2008年10月30日
Published Date 2008/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102462
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はじめに
現在,加齢黄斑変性などの網膜硝子体疾患に対する薬物治療が世界中に広がっているが,その端緒となったのは,ステロイド剤の眼内投与である。それまで,加齢黄斑変性の治療は,網膜レーザー凝固などの限られた方法しかなかったが,薬物投与で一定の治療効果があることがわかり,この治療法は大きく脚光を浴びた。ステロイドに限れば,治療効果が一過性であることや,副作用が避けられないことから,初期ほど広くは用いられていないが1),光線力学療法や網膜光凝固術の補助療法としての新たな可能性も広がっている。ステロイド剤自体が古くから汎用され続けているもので,ある程度の作用機序や副作用がわかっており,今後も使用され続けると思われる。
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