特集 網膜硝子体診療update
Ⅱ.非観血的治療update
眼内tPA注入
上田 朋子
1
,
瓶井 資弘
1
1大阪大学大学院医学系研究科感覚器外科学(眼科学)
pp.96-100
発行日 2008年10月30日
Published Date 2008/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102463
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はじめに
組織プラスミノゲン活性化因子(tissue plasminogen activator:tPA)は,血漿蛋白質の一種であるプラスミノゲンを活性化する酵素で,活性化により生じるプラスミンはフィブリンを分解するため,血栓溶解薬として適応が取れている。現在,tPAのフィブリン溶解作用を期待して術後フィブリン析出や黄斑下出血に,血栓溶解による循環動態改善効果を期待して網膜静脈閉塞症などに対し,tPAの硝子体内投与が治療方法の1つとして選択されている。
以下,各疾患に対するtPAの適応,治療の実際,予後について概説する。
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