今月の主題 抗炎症剤の進歩と使い方
ステロイド剤使用のための基礎知識
外用・局所ステロイド剤の作用増強の機序
五十嵐 理慧
1
,
星 恵子
1
,
水島 裕
1
1聖マリアンナ医科大学・第1内科
pp.1174-1175
発行日 1985年7月10日
Published Date 1985/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219822
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ステロイド剤を外用剤・局所用剤として用いる場合,通常,なんらかのエステル体にしたほうが局所での吸収,局所貯留性,また薬理活性の点で好ましい.その1つの例として,最近,外用剤として開発された,ハイドロコーチゾン(HC)のジエステル体であるHBP(hydrocortisone butylate propionate,パンデル®)などは,局所作用が強く,全身作用が弱いステロイド剤として注目されている.
今回,筆者らは,HBPも含めてエステル体のステロイドが,なぜ臨床上よく効くのかを明らかにするためステロイドの主要ターゲット細胞であるヒトリンパ球を用いて,次のような実験を行ったので,その結果を中心に外用・局所ステロイド剤の作用増強の機序を考察する.
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