特集 網膜硝子体診療update
Ⅰ.検査法update
Heidelberg Retina Angiographの進歩
白神 千恵子
1
1香川大学医学部眼科学教室
pp.39-47
発行日 2008年10月30日
Published Date 2008/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102454
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はじめに
加齢黄斑変性(age-related macular degeneration:AMD)をはじめとする黄斑疾患や,ぶどう膜炎などの診断において,インドシアニングリーン蛍光眼底造影(IA)や,フルオレセイン蛍光眼底造影(FA)検査は欠かせないものである1,2)。特に,AMDは狭義のAMD,ポリープ状脈絡膜血管症や,網膜血管腫状増殖に細分化され,それぞれ治療法や予後が若干異なってくるために,その鑑別に必要な造影検査はさらに詳細な所見を知るための高解像度の画像,細かい動きを捉えることのできる動画,FA,IA同時撮影など,高度な機能が要求される。しかし,眼底撮影装置に求められるのは性能だけでなく,誰にでも撮影技術を習得しやすくきれいな写真を撮ることができるための優れた操作性,場所をとらないコンパクトな設計などである。これらのすべてをほぼ満たしているのがHeidelberg社製の共焦点走査型レーザー検眼鏡(scanning laser ophthalmoscope:SLO)Heidelberg Retina Angiograph(以下,HRA)である。
初代HRAは1997年に国内の販売が開始され,2005年には改良型のHRA2,2008年にはスペクトラルドメイン光干渉断層計(SD-OCT)と造影検査を同時にできるハイデルベルグスペクトラリス(Spectralis)が発売された。本項では,HRAがどのように改良され,新機能はどのようなものかについて述べる。
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