特集 眼科検査法を検証する
Ⅴ.網膜・硝子体疾患
網膜断層写真—Heidelberg retina tomograph
前田 利根
1
1オリンピア眼科病院
pp.192-194
発行日 1998年10月20日
Published Date 1998/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906107
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本装置(図1)はコンフォーカルレーザーを使用し,視神経を含む眼底網膜を三次元的に計測する機器である。光源は波長670nmのダイオードレーザーである。計測時間が短い点,非散瞳でも検査できる点,非接触検査である点,得られたデータを客観的に臨床応用しやすい点で優れている。本器は現在,主に緑内障分野で集中的に活躍している。特にソフトウエアのバージョンアップに伴い,緑内障性乳頭陥凹か否かを判断する判別式が組み込まれ,臨床応用の幅が広がった。一方,網膜・黄斑部の分野では従来計測が困難であった深さ(高さ)の計測とそれに伴う体積の算出から,いくつかの新しい研究が脚光を浴びた1〜7)。今後は臨床面でも本器により網膜病変部体積の経時的変化を捉えたり,またワイアーフレーム像から得られる定性的・客観的網膜表面topogramも,一部網膜疾患では診断をサポートするようになるものと思われる。
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