特集 網膜硝子体診療update
Ⅰ.検査法update
機能的OCTは可能か
角田 和繁
1,2
1国立病院機構東京医療センター臨床研究センター
2理化学研究所脳科学総合研究センター
pp.32-37
発行日 2008年10月30日
Published Date 2008/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102453
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機能的イメージングとは
今日の眼科臨床において,視機能の評価は視力,視野,色覚,中心フリッカ値など主に患者の自覚的検査によってなされている。これらによって示される結果は眼球から大脳視覚中枢までの機能を統合した視機能であり,実際の診断のためには網膜,視神経,大脳皮質など,さらに個々の器官の機能を評価していく必要がある。その評価のために重要なのは,患者の応答によらない他覚的(客観的)な検査法であり,網膜では網膜電図(ERG)がこれに相当する。
一方,眼科における画像診断技術(イメージング)は近年めざましい進歩をとげてきた。例えば光干渉断層計(optical coherence tomograph:OCT)は,検眼鏡によって捉えることのできない網膜微細構造の観察を可能にするものであり,特に現在主流となりつつあるフーリエドメインOCTを用いると網膜各層を短時間かつ高解像度で評価できる。しかし,OCTによって計測されるのはあくまでも解剖学的構造であり,これによって視細胞をはじめとする網膜の神経活動を捉えることはできない。
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