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連載 今月の話題
オルソケラトロジー
Orthokeratology
柳井 亮二
1
,
西田 輝夫
1
Ryoji Yanai
1
,
Teruo Nishida
1
1山口大学大学院医学系研究科情報解析医学系学域眼科学分野
pp.1221-1226
発行日 2008年8月15日
Published Date 2008/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102337
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オルソケラトロジーは,ハードコンタクトレンズを装着して睡眠し,角膜形状を変形させることにより角膜屈折力を変化させる屈折矯正方法である。オルソケラトロジーは日中,補助具なしで視力を改善することができること,レンズ装用を中止することによって角膜形状が元に戻り可逆性であることなどの利点がある。一方,矯正効果を発揮するためには,より効率よく角膜の変形を生じるハードコンタクトレンズを装用しなければならないため,角膜に対する影響は大きくなる。コラーゲンの性質が不安定な小児期や円錐角膜などでは,矯正効果および安全性が担保されないため適応とならない。また,オルソケラトロジーにより角膜上皮ステイニング,角膜上皮下浮腫,角膜上皮内鉄分沈着,感染などが生じる可能性がある。オルソケラトロジーの実施においては,その原理や実際の処方方法の習熟のみならず,屈折矯正の過程で生じる角膜への影響など,角膜生理と屈折矯正に対する深い理解が必要である。
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