Japanese
English
連載 日常みる角膜疾患・65
ステロイド関連角膜障害
Steroid-related corneal disorders
森重 直行
1
,
西田 輝夫
1
Naoyuki Morishige
1
,
Teruo Nishida
1
1山口大学大学院医学系研究科情報解析医学系学域眼科学
pp.1228-1231
発行日 2008年8月15日
Published Date 2008/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102338
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症例
[症例1]
患者:66歳,女性
主訴:左眼の異物感
現病歴:10年前からSjögren症候群に対し,クラビット®点眼および0.1%フルメトロン®点眼加療が行われていた。3か月前から左眼の異物感を自覚して近医を受診,左眼の角膜潰瘍を指摘された。精査・加療目的で当科を紹介され受診した。
初診時視力は右0.5(1.2),左0.3(0.6),結膜は軽度充血し,角膜中央部のやや下方に角膜実質の菲薄化した部位(図1a),その中央部に上皮欠損を認めた(図1b)。ドライアイに起因する遷延性角膜上皮欠損と考え,タリビッド®眼軟膏点入および強制閉瞼により加療したが上皮欠損は拡大した。
ステロイドによる角膜上皮治癒遅延の可能性を考慮し,0.1%フルメトロン®点眼の使用を中止した。翌日上皮欠損は消失し,翌々日には左眼は0.5(0.9)まで視力が改善した。
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