Japanese
English
連載 日常みる角膜疾患・59
水痘・帯状疱疹ウイルス感染
Varicella-zoster virus corneal infection
川本 晃司
1
,
西田 輝夫
1
Koji Kawamoto
1
,
Teruo Nishida
1
1山口大学大学院医学系研究科情報解析医学系学域眼科学分野
pp.148-150
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102128
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
症例
患 者:25歳,女性
主 訴:右眼窩部痛
現病歴:2003年10月に頭痛,右眼眼瞼の疼痛が出現した。数日後,近医皮膚科で帯状疱疹と診断された。疼痛が強く,疼痛のコントロール目的で当院麻酔科に入院,翌日当科外来を紹介され受診した。
既往歴・家族歴:特記事項はない。
初診時所見:視力は右0.7(1.5×S-2.50D),左0.5(1.5×S-1.50D),眼圧は右13mmHg,左15mmHgであった。三叉神経第1枝領域帯状疱疹に特徴的な皮疹がみられ,眼瞼の腫脹もあった(図1)。皮疹は鼻翼部にもみられた。細隙灯顕微鏡による検査では右眼の下方眼球結膜に結膜下出血と結膜炎がみられたが,右眼角膜上皮欠損や角膜混濁はなかった。前房内には炎症所見がみられた。角膜知覚検査では右眼の知覚低下がみられた。
以上の所見から水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:以下,VZV)感染症と診断し,角膜病変はみられなかったが,アシクロビル眼軟膏(1日5回)を開始した。
治療経過:アシクロビル眼軟膏(1日5回)とともに,皮疹に対してはアシクロビルの全身投与(点滴)を行い,疼痛に対しては当院麻酔科で三叉神経ブロックを行った。皮疹は次第に軽快したためにアシクロビル眼軟膏の点入回数を減じ,後に中止とした。
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.