増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
免疫学的検査
感染症関連検査
ウイルス抗原・抗体検査
水痘・帯状疱疹ウイルス
中山 哲夫
1
1北里研究所ウイルス1室
pp.532-533
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906456
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水痘と帯状疱疹の臨床像
水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus:VZV)は,ヘルペスウイルスに属する二本鎖DNAウイルスで,初感染は小児期の水痘として発症し,成人に至るまでにはほとんど感染し,感染したVZVは三叉神経節,脊髄神経節後根の知覚神経節に潜伏感染し宿主の免疫能の低下,放射線療法,ストレスなどの誘因により再活性化され,知覚神経支配領域に有痛性の帯状疱疹として発症する.
水痘患児の上気道分泌液,水疱液,末梢リンパ球からVZVが分離され,咽頭からは発疹出現2日以内には分離され,感度の高いPCR法では発疹出現数日前からVZV遺伝子が検出され,リンパ球からも発疹出現数日前からウイルスは検出されている.VZVは上気道粘膜から侵入し,所属リンパ節で増殖し第一次ウイルス血症を起こし,全身に散布され,肝臓,脾臓,リンパ節といった全身の網内系組織においてさらに増殖したウイルスは,第二次ウイルス血症を起こし全身に水疱を形成する.VZV特異抗体,細胞性免疫は水疱の出現した後から検出されるようになり治癒する.
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