Japanese
English
特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅲ.疾患別
B.感染症
水痘・帯状疱疹
Varicella and zoster
中井 英剛
1
,
吉川 哲史
2
Hidetaka Nakai
1
,
Tetsushi Yoshikawa
2
1豊川市民病院小児科
2藤田医科大学病院小児科
キーワード:
水痘
,
帯状疱疹
,
アシクロビル(ACV)
,
予防接種
Keyword:
水痘
,
帯状疱疹
,
アシクロビル(ACV)
,
予防接種
pp.288-292
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001231
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1 疾患概念
水痘は,ヘルペスウイルス科のα亜科に属する水痘帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:VZV)の初感染である。空気感染,飛沫感染,接触感染により気道粘膜や結膜からVZVが侵入し,ウイルス血症を経て全身の皮膚に到達する。好発年齢は乳幼児であり,14~16日の潜伏期を経て,発熱とともに紅斑,丘疹,水疱,痂皮などのさまざまな段階の発疹を認めることが特徴である。感染力が強く,発疹出現の1~2日前から,すべての発疹が痂皮化するまで感染源となりえる。感染後は終生免疫を獲得するが,VZVは初感染で水痘を発症した後,脊髄後根神経節に潜伏感染する。そして,宿主が免疫抑制状態に陥った際に再活性化し,知覚神経支配領域(デルマトーム)に発疹を形成して,帯状疱疹を発症する。
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