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あとがき
水流 忠彦
pp.1574
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101906
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本稿を書いている現在,第21回参議院議員通常選挙が公示され,暑い選挙の夏を迎えようとしています。本誌が発刊されている頃には帰趨が決していることになります。その結果は私たちが日常行っている眼科医療や医学教育にも大きな影響を与えることになりますので,大いに気になるところです。
最近の日本の社会や医療の状況は非常に目まぐるしく変化してきていますが,その変化の特徴を一言で表現するならば,「発展」というより「崩壊」としたほうがよいような気がします。いつの時代も社会やさまざまなシステムには「創造」と「発展」「成熟」,そして「崩壊」のサイクルがあるとされていますが,昨今の日本は残念ながら「崩壊」一色のような気がしてなりません。世界的にみれば1989年の「ベルリンの壁崩壊」がその後の激動の世界の端緒となったのでしょうが,日本に目を向けるとその後に「バブルの崩壊」「金融システムの崩壊」の危機に瀕し,現在も国や地方自治体の「財政崩壊」がささやかれる始末です。最近の話題では「年金崩壊」でしょうか。教育の現場でも「学級崩壊」から始まり「公教育の崩壊」など,教育システム全般にきしみがみられる状態で,なかなか希望の光を見いだしにくいのが実情です。
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