Japanese
English
臨床報告
レーザー虹彩切開中に水晶体脱臼し,後に瞳孔ブロックを生じた1例
A case of pupillary block after lens luxation during argon laser iridotomy
薬師川 浩
1,2
,
林 理
2
,
西田 保裕
2
Hiroshi Yakushigawa
1,2
,
Osamu Hayashi
2
,
Yasuhiro Nishida
2
1公立湖北総合病院眼科
2滋賀医科大学眼科学教室
1Dept of Ophthalmol,Kohoku General Hosp
2Dept of Ophthalmol,Shiga Univ of Med Sci
pp.1491-1494
発行日 2003年9月15日
Published Date 2003/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101380
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要約 62歳女性が左眼瞼腫脹で受診した。3日前にベッドから転落し,左眼を床で打撲した。眼圧は右17mmHg,左45mmHgであり,急性閉塞隅角緑内障と診断した。水晶体は正常な位置にあった。高浸透圧薬の点滴で眼圧を下降させたのち,レーザー虹彩切開術を鼻上側に行った。虹彩を穿孔した直後に前房が深くなり,水晶体が硝子体腔内に脱臼し硝子体が瞳孔から脱出した。翌日の左眼圧は20mmHgで前房は深く,角膜は透明であった。眼底検査のために散瞳薬を点眼したところ,水晶体が前房に移動して嵌頓し,瞳孔ブロックによる急性緑内障が発症した。眼圧を下降させたのち,レーザー虹彩切開術を鼻下側に行い,瞳孔ブロックを解除できた。以後1年間,左眼は安定している。水晶体が脱臼しているときには,散瞳薬の使用と頭位に注意する必要がある。
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