特集 ベーチェット病研究の最近の進歩
ベーチェット病の分子遺伝学
水木 信久
1
,
大野 重昭
2
,
猪子 英俊
3
1横浜市立大学医学部眼科学教室
2北海道大学大学院医学研究科視覚器病学分野
3東海大学医学部分子生命科学系遺伝情報部門
pp.1302-1307
発行日 2003年8月15日
Published Date 2003/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101344
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はじめに
ベーチェット病は全身の諸臓器に急性の炎症を繰り返す原因不明の難治性炎症性疾患であり,再発性口腔内アフタ性潰瘍,眼症状,皮膚症状,陰部潰瘍を4主症状とする。本病はシルクロード周辺のモンゴロイドに多発し,欧米人には稀な疾患である。また,本病は人種を越えてHLA-B51抗原と顕著に相関しており,特定の内的遺伝素因のもとに何らかの外的環境要因が働いて発症する多因子性遺伝性疾患と考えられている。本稿では,ベーチェット病の病態,および分子遺伝学的発症機序について,最新の知見を交えて概説したい。
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