特集 ベーチェット病研究の最近の進歩
ベーチェット病患者のQOLと国際交流
西田 朋美
1
,
水木 信久
1
,
大野 重昭
2
1横浜市立大学医学部眼科学講座
2北海道大学大学院医学研究科視覚器病学分野
pp.1328-1332
発行日 2003年8月15日
Published Date 2003/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101349
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
ベーチェット病は,わが国の三大ぶどう膜炎の1つであり,現在も原因不明の難治性疾患の代表例である。厚生労働省の診断基準にも示されている通り,再発性口腔内アフタ,眼症状,皮膚症状,外陰部潰瘍を主症状とし,増悪と寛解を繰り返す全身性炎症疾患である。さらには,特殊型に代表されるように,血管,神経,腸管などにも反復性炎症を起こし得る。このように,全身的に症状が現れるうえ,原因もはっきりせず,治療法も確立しているとはいいがたい難病であるがゆえ,程度の差こそあれ患者,および患者家族は多岐にわたる悩みを抱えるケースが多い。ここでは眼症状を伴うベーチェット病患者のQOLに主に焦点をあてながら考察するとともに,最近徐々に整えられつつあるベーチェット病患者の国際交流に関して最新情報を含めて紹介する。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.