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連載 私のロービジョンケア・2
視覚障害者の実態
Low vision care(2)
高橋 広
1
Hiroshi Takahashi
1
1柳川リハビリテーション病院眼科
pp.936-940
発行日 2003年6月15日
Published Date 2003/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101272
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視覚障害者とは
世界保健機関(WHO)は,「障害」を疾病(disease),機能障害(impairment),能力障害,(disability),社会的不利(handicap)の4つに分類していた(国際障害分類,International Classification of Impairment, Disability and Handicap:ICIDH 1980,図1)。このうち疾病,機能障害までを医療が担当し,能力障害,社会的不利と分類された人々の訓練は教育や福祉の分野が担当していた。それゆえ,医療と教育・福祉の間の垣根は非常に高く,情報交換が難しかった。この垣根を低くし,互いに風通しのよい状態を保ち,視覚障害者の質の高い生活をともに目指す活動がロービジョンケアである1)。
多くのロービジョンクリニックでは機能障害や能力障害を主に対象にしているが,私の取り組みはquality of visionを目指すキュア(診断・治療)からケアまで,すなわち疾病から社会的不利までを包括するものである。このことは,決して特別なものではなく医療の本来的なもので,眼科医がごく自然にロービジョンケアを開始すべきときであると考えている。
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