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糖尿病患者に対するロービジョンケア 第2回
視覚障害者の実態
Low vision care for patients with diabetes
高橋 広
1
1柳川リハビリテーション病院眼科
pp.413-416
発行日 2006年3月15日
Published Date 2006/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100108
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最近,糖尿病網膜症で筆者が診ていた患者が再度受診してきました.彼の糖尿病網膜症は数年前まで単純型でしたが,その後の血糖値のコントロールが悪く,前増殖型に移行していました.すぐさま彼の通っている内科病院に手紙を書き,糖尿病網膜症が非常に危険で,糖尿病のコントロールを厳重に行うよう依頼しましたが,何の返事もありません.やむを得ず,患者にレーザー治療を提案しましたが,彼はなかなか応じてくれません.その間,網膜症は悪化していきましたが,「レーザー治療をしたら,見えなくなったと知人が言っていた.恐いので内科的治療で頑張りたい」と彼は言い張りました.しかし,内科治療には何も変化ありません.このように,内科医と眼科医との連携は時として難しく,失明を予防する最良の治療である血糖値のコントロールとレーザー治療は結びついていかない場合もあります.そこで,今回は視覚障害者がいかに多く病院に通院しており,ロービジョンケアの対象となる患者も多いかについて述べます.
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