特集 眼科における最新医工学
IV.生体材料工学
ISO/TC172/SC7/WG7(Ophthalmic Implant)の現状と各国の眼内レンズの規格
西岡 和幸
1
,
山中 昭夫
2
,
砂田 力
3
,
山口 芳司
1
1参天製薬(株)品質保証・環境監査本部
2神戸海星病院
3(株)ニデック
pp.278-282
発行日 2005年10月30日
Published Date 2005/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100224
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はじめに
日本で初めて眼内レンズの厚生省の認可がなされたのは,1985年5月10日であり,くしくも同日付で眼内レンズの規格を定めた「眼内レンズ承認基準(薬発第489号)」(現在これは廃止され,新たな眼内レンズ承認基準が薬食発第0401036号として2005年4月1日付で厚生労働省から出されている)が発出されている。もともと,眼内レンズについて日本では規格というものが存在せず,作成過程では性能を担保するためのバーチカルスタンダードとしての各種承認基準や,ホリゾンタルスタンダードとしての毒性試験が加味された。その当時,米国には米国規格協会(American National Standards Institute:ANSI)の独自基準があり,ヨーロッパにおいては,各国基準をまとめようという動き,すなわちEN規格の作成の動きがあった。この頃は,世界標準を作成しようという統一的な流れはまだ芽生えていなかったが,流通・経済統合を主眼とした欧州連合体構想が具体的になるにつれ,米国,日本なども含めて,国際標準の必要性が叫ばれるようになり,眼内レンズに関してはISO 11979という規格が制定された1,2)。
本項ではISO/TC172/SC7/WG7の現状,今後のISO規格の見直しの動向について説明するとともに,各国におけるISO規格の導入の動きなどについても述べる。
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