談話室
眼鏡レンズの規格
大島 祐之
1
1東京医科歯科大学眼科
pp.365-368
発行日 1962年3月15日
Published Date 1962/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202467
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最近,眼鏡レンズの規格ができたと人伝てに聞いて,結構なことだと思つていた。ところが,その規格ができたばつかりに,眼鏡レンズのメーカーが困惑しているという話を耳にした。実は私,不勉強でそのメガネ規格の内容を知らなかつたのであるが,よく調べてみると,暮しの手帖(52号,昭和34年12月)の記事に端を発したらしい。それまでほとんど知られていなかつたメガネの規格が紹介されたのであつた。その規格は正式にいえば,日本工業規格JIS S 4009-1954"輸出眼鏡類"という名称で,眼鏡レンズの頂点屈折力の許容差を一率に±0.06Dと規定していた。すなわち,レンズの強弱を問わず,表中示の度から0.06D以上違つてはいけないというのである。
このJIS制定のいきさつを私は全然知らないが,このJISの存在をメガネ関係の業者の大部分が,暮しの手帖の記事が出るまでは知らなかつたというのは不思議である。JISの制定には原則として業者代表が参与するからである。"輸出品"という点が盲点だつたのかもしれない。
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