FOCUS
遺伝子関連検査における国際規格ISO 15189
宮地 勇人
1
1東海大学医学部基盤診療学系臨床検査学
pp.488-491
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207985
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はじめに
遺伝子関連検査は,科学的根拠に基づく個別の計画的医療,患者負担軽減による医療の質や効率の向上に向けて,新規技術の応用と利用対象の拡大が続いている.ゲノム医療実用化における諸課題を検討するために設置された「ゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォース」(ゲノム医療タスクフォース)にて,日本臨床検査標準協議会が策定した「遺伝子関連検査に関する日本版ベストプラクティス・ガイドライン」の要求水準が必要とのコンセンサスのもと,そのための具体的方策を検討・策定することとなった1,2).
これを踏まえて,安全で適切な医療提供の確保を推進するため,検体検査の品質・精度確保に係る医療法等の一部改正(改正法)とそれに伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令(改正省令)が2018年12月1日に施行された3).改正省令による「臨床検査技師等に関する法律」の施行規則改正で,検体検査の一次分類に遺伝子関連・染色体検査が新設された.医療法等の改正を踏まえて,遺伝子関連検査の精度保証のためのベストプラクティスに関する体制・環境整備および検査実施施設における対応準備を速やかに進める必要がある.特に遺伝子関連検査を実施する臨床検査室の客観性と信頼性を確保するうえで,国際規格ISO 15189(臨床検査室の品質と能力に関する要求事項)施設認定プログラムの設置は重要である4).本稿では,ISO 15189施設認定プログラムおよびその基盤となる遺伝子関連検査のためのISO 15189ガイダンス文書(以下,ガイダンス文書)の概要について述べる.
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