特集 結膜アレルギーの病態と対策
涙液検査からみたアレルギー性結膜疾患
庄司 純
1
1日本大学医学部眼科学教室
pp.142-148
発行日 2005年2月15日
Published Date 2005/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100019
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はじめに
アレルギー性結膜疾患は,即時型アレルギー反応が原因で発症する角結膜疾患で,季節性アレルギー性結膜炎(seasonal allergic conjunctivitis:SAC),通年性アレルギー性結膜炎(perennial allergic conjunctivitis:PAC),アトピー性角結膜炎(atopic keratoconjunctivitis:AKC),春季カタル(vernal keratoconjunctivitis:VKC)および巨大乳頭結膜炎(giant papillary conjunctivitis:GPC)が含まれる。現在,アレルギー性結膜疾患の診断には,皮膚反応,血清中のアレルゲン特異的IgE抗体検査などの全身アレルギー検査および結膜擦過塗抹標本での好酸球検査による眼アレルギー検査により行われている。アレルギー性結膜疾患の診断,重症度判定,治療効果判定に関しては,臨床症状と併せて眼局所の臨床検査により客観的に判定されるべきであるが,検査に用いる適当な検体がない,または十分に検体量が得られないなどの理由から,眼局所のアレルギー検査が実験室レベルの検討で推移し実用化が遅れているのも現状である。
今回は,涙液を用いたアレルギー検査のなかで,特に有望とされているECP(eosinophil cationic protein)とアレルゲン特異的IgE抗体を中心に,検査法開発の経緯も含めて涙液によるアレルギー検査の有用性について述べる。
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