特集 内科医に求められる他科の知識―専門家が伝えるDo/Don’t
第2章 眼 科
アレルギー性結膜疾患
海老原 伸行
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院眼科
pp.1814-1817
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1814
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アレルギー性結膜疾患とは
アレルギー性結膜疾患(allergic conjunctival disease:ACD)とは,結膜を病変の主座とし,Ⅰ型アレルギー反応が関与する疾患の総称である.非増殖性の季節性アレルギー性結膜炎(seasonal allergic conjunctivitis:SAC),通年性アレルギー性結膜炎(perennial allergic conjunctivitis:PAC),アトピー性角結膜炎(atopic keratoconjunctivitis:AKC)と,増殖性の春季カタル(vernal keratoconjunctivitis:VKC),巨大乳頭性結膜炎(giant papillary conjunctivitis:GPC)に分類される.内科医が最も多く遭遇し点眼液を処方するのは,スギ花粉によるSAC患者と思われる.花粉症は国民の3分の2以上が罹患する国民病であり,日本眼科アレルギー学会が施行した全国のスギ花粉によるアレルギー性結膜炎の最新の有病率は35%にいたっている(未発表データ).また,抗アレルギー点眼液の処方量もスギ花粉飛散シーズンでは眼科:耳鼻科:その他の科(内科,小児科)の比率が3.5:2.6:3.9で,いかに多くの眼科以外の医師がSAC患者に対して抗アレルギー点眼液を処方しているかがわかる.ゆえに本稿では,スギ花粉症のSACを中心に内容を展開する.
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