今月の臨床 エコーガイド下で何ができるか
婦人科
3.卵管通水
長田 尚夫
1
1日本大学医学部産婦人科
pp.492-495
発行日 1997年5月10日
Published Date 1997/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409905023
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超音波断層装置を用いて通水による卵管疎通検査が臨床応用されている1-6).一般に卵管疎通検査には,通気・通水法,子宮卵管造影法ならびに腹腔鏡検査による色素通水法があり,それぞれ長所もあれば欠点もある.とくに子宮卵管造影では,ヨード過敏症やX線被曝,疼痛の問題が指摘されてきた.これらの欠点をカバーしようとする試みが超音波断層装置を用いて行うエコーガイド下卵管疎通検査である.本邦では,田口や石塚らがエコーガイド下卵管疎通検査の臨床応用を行っている.卵管性不妊が増加しつつある今日、現在行っている卵管性不妊の検査法には,限界が指摘されている.その意味で新しい試みであるエコーガイド下卵管疎通検査の意義については非常に興味が持たれている.卵管性不妊の治療には、マイクロサージェリーによる卵管形成術,腹腔鏡下卵管形成術,体外受精による胚移植法など目覚ましいものがあるが,治療の選択をするための検査法については残された課題も大きい.
本稿では,卵管疎通検査について改めて各種診断法の利点,問題点について述べるとともに,エコーガイド下卵管疎通検査の意義について考察する.
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