薬の臨床
α—キモトリプシン通水療法による卵管不妊治療の遠隔成績について
秋山 脩爾
1
,
目黒 保行
1
,
野田 隆二
1
Shuji Akiyama
1
1由利組合総合病院産婦人科
pp.76-80
発行日 1967年1月10日
Published Date 1967/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203636
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はじめに
女性の不妊症のうちで最も頻度の高いものは卵管性の不妊症であるとされているが,特にここ10年来の傾向として中絶手術後の卵管炎に起因すると考えられる不妊症が多くなつてきつつある。われわれはこの治療法として種々の方法を行なつてきたが,大別して手術療法と非手術療法とにわけられ,前者にも種々の方法が考按され発表されているにもかかわらず,その術後の妊娠に関する遠隔成績は現在までのところきわめて不満足なものであり,われわれのところでも不妊手術後の再疎通手術以外には見るべき結果をえていない。一方後者の非手術療法もいまだ完全に満足されるようなものではないが,最近のホルモン,酵素の進歩および描写式卵管通水診断治療器等の開発により,前者に比してよい治療成績をあげられるようになつたと報告されている。
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