特集 不妊症の診断
卵管通水法・卵管通気法
山田 文夫
1
Fumio Yamada
1
1大阪市立大学医学部産婦人科学教室
pp.491-495
発行日 1970年6月10日
Published Date 1970/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204221
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緒言
不妊因子としての卵管異常の意義は大きく,不妊婦人の臨床診断で,卵管性因子が指摘される場合は,10〜50%程度とされ,さらに,卵管閉鎖率をみると,化学療法の進歩普及した今日でさえなお30〜40%の頻度を示し,川口も不妊婦人261例中38.7%に両側卵管閉鎖を認めている。さらに,林は独自の因子分類を行ない,卵管に関連性ある第1,第3〜第4受精態勢の異常は不妊婦人ではそれぞれ11.7%,56.4%であるとのべ,さらに多くの内外文献はいずれも不妊に関する卵管因子の主要性を唱えている。したがつて,これが異常の診断も種々考究され,卵管通水法,卵管通気法,卵管造影法,卵管通色素法のほかクルドスコープによる法,さらに,また,わが教室で開発された,アイソトープを応用したRadiotubationなどが行なわれている。本稿では,上記のうち比較的手技,装置が簡単で比較的副作用もすくないといわれる通水法,通気法の実際について概説を試みる次第である。
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